旅行のための英会話満載!
【新連載】 Enjoy Communication! クルーズ英会話

第7回 Dinner時の会話(1)

渡辺節子(SHE(エスエイチイー)代表取締役、神田外語大学講師)

 さて、夕食です。ほとんどの船では旅の間中、Main dining roomの同じテーブルに同じメンバーと同席します。勿論、いつも同じウェイターとソムリエがサービスしてくれます。彼らに何でも相談しましょう。2、3回食事をするうちに有能な彼らは、客の好みや適量まで呑みこんでくれるでしょう。
 メニューの英語は難しいものです。読めても料理の内容が判らないことがあります。どういう料理なのか、ウェイターに根掘り葉掘り聞くのは、ごく当たり前の事です。失礼でも恥ずかしい事でもありません。ことに魚や肉は煮たものか(boil)、揚げたものか(deep-fry)、炒めたものか(fry)、直火焼きしたものか(broil)などは、はっきり聞きましょう。
 ウェイターが取り分けてくれる料理は、日本人には量が多過ぎますね。お皿に残すのは見苦しいですから、盛り付ける前に Small portion, please.(肉や魚の時に)「小さな切り身を下さい」 Only a little bit please.(温野菜やフライドポテトを盛り付ける時に)「ほんの少しにしてください」
 盛り付けはじめてからは、 Thank you. That's enough.「ありがとう。これで十分です」(言いながら手で制す)
 お代わりを持ってきたら、 No more thank you.「もうこれ以上は要りません。ありがとう」
 食事が美味しかったら、具体的に誉めましょう。 Thank you for your nice service.「 あなたのサービスはすばらしかったわ」 I enjoyed the meal.「 お食事楽しかったわ」
 The dinner was excellent! My compliments to the chef.「お食事素晴らしかったわ。シェフにそう伝えて」
 なお朝食、昼食はプールサイドのカフェででも食べられます。セルフサービスの場合が多いのですが、これも一度に沢山取って残すより、少量ずつお代わりしましょう。一回ごとに新しいお皿を使いましょう。サラダとデザートも別の皿を使ったほうがいいでしょう。

 同席したテーブルメイトとは、自己紹介し合いましょう。
Nice to meet you. My name is Setsuko Watanabe.
 それからの会話の展開は相手次第です。外国人だから、この話題は、タブー、日本人ならOKと言うことはないと思います。宗教、政治の話はタブーと言われているようですが、タブーではありません。拙い英語であまりよく知らない事は話さない方が無難だというだけです。十分な英語力と社会的背景に関する深い知識があれば、面白く討論できます。

 ただ注意したいのは、民族のモザイク国家アメリカでは自由平等が一番大切。人種、性別、身体的特徴などの差別用語にことのほか敏感なのです。BlackやNegroはいけません。African Americanです。身体障害者はphysically challenged(身体的挑戦を余儀なくされた)、精神障害者はmentally challenged(精神に挑戦を余儀なくされた)、背が低い人はvertically challenged(縦に挑戦を余儀なくされた)、 肥っている人はhorizontally challenged(横に挑戦を余儀なくされた)なのです。身体が悪くなければtemporary abled(一時的な健常者)です。男女差別用語にも敏感です。salesmanではなく、sales person。 歴史はhistory(男の歴史)だけでなく、her story(女の歴史)でもあるのです。求人広告でも性別および年令制限をしてはいけません。そんなアメリカ人と話すのはいやになりましたか? でも、人間の気持は万国共通。日本人同士だって、上述のような差別や話題はいやです。相手の国籍の如何にかかわらず、自分が言われて不快な話題は避ければいいだけのことです。
 極めて個人的な(personal)話題も避けましょう。年令、職業、家族、結婚しているか否かなどです。rudeな外国人が、How old are you ?なんて聞いてきたら、 Over 21(英語圏では、21才以上の女性は年令を言わなくていいのです)。あるいは、 How old do you think I am ?(いくつだとお思い?)とはぐらかせばいいのです。
 会話には、身近で共通の楽しい話題を選びましょう。食事中なら、目の前の材料を使っての日本料理の紹介もいいですね。会話のための会話より、情報を交換し合う方が実りがあります。船内のイベントや、今まで乗った船の情報を交換し合うのもいいですね。絵言葉、筆談、電子辞書など、使えるモノは何でも使いましょう。

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