旅行のための英会話満載!
【新連載】 Enjoy Communication! クルーズ英会話

第4回 check-in counterでの会話(2)

渡辺節子(SHE(エスエイチイー)代表取締役、神田外語大学講師)

夕食の時間指定の確認

 多くの場合、船のディナーはtwo sitting制です。cabinの中にはfirst sitting、あるいはsecond sittingとテーブル番号の指定などを書いた案内が置かれています。また、日本で前もってリクエストしておくこともできますし、check-in時にcheck-in counterで教えてくれます。

Your dinner time is from 6:30 to 8:00, the first sitting. Table number is 7. (あなたの夕食はfirst sittingになっておりまして、6時半から7番テーブルです)
 もし、あなたがsecond sitting(late sitting)に変えたいなら、Can I change it to the second (late)sitting? (second sittingに変えていただけますか?)と聞いてみます。
Just a moment, please. Let me check. We can fit you in the second sitting, table 8 from 8:30. (ちょっとお待ちください。調べてみます。8時半から8番テーブルが空いていますね)
 あるいは、
Sorry, but the second sitting is already full. (残念ですが、second sittingは満席です)
 などと答えがかえってくるでしょう。そんな場合でも、Thank you, anyway. (どうも、ありがとう)と答えましょう。もう、おわかりですよね。

 外国人とのコミュニケーションで大切なのは、言語を上手に操れる事ではなく、礼儀正しく(polite)、品のよい(decent−この形容詞は、大江健三郎氏もノーベル賞受賞記念講演で使っていました)ことです。

 あるクルーズ客船の芸能大会で、友人の老婦人が日本舞踊を披露し、大評判でした。外国人の船客に受けた理由を聞いてみたところ、踊りもさることながら、一番感動したのは踊りの前後の挨拶だったのです。舞扇を一文字に床に置き、正座して頭を床にこすりつける丁寧なお辞儀です。日本人の礼節を目の当たりにして、日本文化の奥深さにとても感動したそうです。流暢な英語より、ずっと素晴らしいコミュニケーションだと思いませんか?

 反対に一番嫌われるのは粗野な事、行儀の悪い事(rude)です。見ず知らずの他人に対するちょっとした配慮に欠ける事もrudeです。

 しかし、変にかしこまる必要はありません。あなたが、公共の建物で後から来る人のためにドアを手で押さえたまま待ってあげたり、車椅子の人を交差点でそっと押してあげたり、行列で自分の後に急いでいる人が並んでいたら、Go ahead, please. (お先に、どうぞ)と順番を譲ってあげるなど、ちょっとした気配りをするだけのことです。

 thank you、pleaseを上手に使うのも、politeなコミュニケーションです。何かしてもらったら、必ずthank youと言う習慣をつけましょう。頼んだことがうまくいかなくても、相手の尽力に対してthank you, anywayと言いましょう。相手からThank youと言われたら、すかさず、Welcome, my pleasure. あるいは、Thank you.(こちらこそ。この場合、youを強調して発音します)と言います。

 飛行機の機内サービスでスチュワーデスがお絞りなどを配り始めました。外国人は大抵相手の顔を見上げて、笑顔でthank youと言っています 。日本人団体客は殆ど無言で顔も上げずに受け取りますね。一言、thank youと言うだけでいいのです。こちらが失礼な対応をすれば、相手もただ事務的なサービスをするだけになります。

 その他ホテルマン、タクシーの運転手、ボーイやウェイターなども、たまたまサービス業に従事してるだけで、我々と全く対等な人格であることを忘れないように。thank youは勿論のこと、おいしかった、楽しかった、サービスが良かったと、その都度意思表示しましょう。そうすれば、ずっと人間的で温かいサービスが受けられます。おまけに英語で会話する良いチャンスですね。外国に行ったら、その土地の人によい情報をもらうのが、よい旅の秘訣です。上記の職種の人達は、最新の土地の情報の宝庫でもあるのです。

 頼むときはpleaseを文頭か文尾につけましょう。相手がpleaseと頼んできた場合には、O.K.with pleasuremy pleasureと答えられると、なお良いですね。

 でも、何でもかんでも喜んで引受るわけにはいきません。そんなときは、Very sorry, I would like to, but I cannot help you. I have some other appointment. (ごめんなさい。でもどうしても大切な先約がありまして)と、はっきり断りましょう。決して失礼には当たりませんから。

 身体がちょっとでも触れたら、にっこり笑顔でsorryと言えますか? 相手にSorryとかExcuse meと言われたら、That's all rightとかNever mind(構いません。気になさらないで)と答えます。

 何時だったか、飛行機内で隣席の上品な紳士に身体が触れ、反射的に私はExcuse meと佗びました。紳士はにっこり、"My pleasure. Do it again."(光栄です。またどうぞ)とウインクしました。憎いですね。

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