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クリスマスは北国のお祭りだ。
ホームレスや、救世軍などへの寄付も気前がよくなる。 夥しい数のクリスマスプレゼントも買う。一人で何十人にあげるのだろうか。昼時のマンハッタンは、プレゼントを探すサラリーマンの大ラッシュだ。 4時半にはや日没。耳まで覆う帽子、長いコート、手袋、口鼻を覆う襟巻き、それにブーツなしでは歩けない程寒い。 そんな寒さを物ともせず、ニューヨーカーは、風を切って街を闊歩する。 クリスマスツリーの見物や、プレゼント買いに東奔西走だ。 日本航空ビルは、例年折り紙だけでツリーを簡素に飾る。 ニューヨークっ子には新鮮に写るらしく、子供連れがわざわざ見に来る。 極めつけは、ロックフェラーセンターの2万個の豆電球の付くツリーだ。今年で66年目になるツリーは、12月2日7時半にライトアップする。オハイオ州産の高さ22.5メートルだそうだ。ツリーの下のリンクで、アイススケートに興じる人達もいる。
人混みができていて、「リチャード・ニクソンだ」と誰かが言った。ボディーガードに支えられて、威厳はあるがどこか力弱げな老人が歩いて来た。ゆっくり私の次男に手を差し伸べ握手をして、「私と一緒に写真を取りたいか?」と聞いた。とっさにカメラのシャッターを切った。 その半年前にパトリシア夫人に先立たれて、どんな思いで人生最後のクリスマスツリーを眺めたであろうか。翌年5月、元大統領は81才で亡くなった。
翌日クリスマスも雪だった。ホワイト(=雪)クリスマスは幸運の印。人々は喜んで、セントラルパークに繰り出した。橇をひく者、雪だるまを作る者、スノーボードやアイススケートに興じる者と、喜びを様々に表現していた。
●リンク集
Copyright1998 Setsuko Watanabe
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