渡辺節子が行く「世界の旅」


シドニーのオペラハウスと

ホームブッシュのオリンピック村


'港の見える丘'は、どこも美しく情緒がある。

中でも、何度訪れても、何時訪れても、ただもう美しいと感嘆してしまうのが、自然の美港シドニーだ。

オペラハウスと夜景 / SYDNY-CIRCULAR AT NIGHT
オペラハウスと夜景 / SYDNY-CIRCULAR AT NIGHT

シドニー湾沿いに24カ所もある砂浜、奇岩の丘、日光を反射してキラキラ輝くアルミとガラス製の高層ビル群、それと対象的に、砂岩に張り付いて建つ古い家並-街の発祥地ロックス。

一際目立つのがハーバーブリッジを背景に立つオペラハウス。


貝殻か、ヨットの帆かと見まがう奇抜な屋根が、景観を乱すという悪評もあるが、あれ位の存在感がなければ、建物がシドニー湾の美しさ、大きさに埋没してしまうだろう。

一見、調和を乱すような奇抜な建物が町の象徴となっているケースは多い。
ギザのピラミッドやスフインクスだって奇抜だ。
エッフェル塔も立った時は、醜くてシックなパリには不調和と非難されたが、今では、パリの顔になってている。

オペラハウスは、実際に中でオペラを楽しむと良さがわかる。
昔、マチネーで蝶々夫人を観た時は、観客は老人ばかり 蝶々夫人は、関取みたいで、中国服だか着物だか国籍不明の衣装だった。

今回は、夜のせいか、観客は、シックな黒系の準正装。
出し物は、プッチイーニが蝶々夫人の次に作曲した未完の遺作 Turandot3幕。
演じるオペラオーストラリアは、欧州オペラ座の洗練さがない分、若々しく、素直で好感の持てた。
気性の激しい中国の王女Turandotを演じたのは、威風堂々とした黒人歌手。

幕間毎に、客は、ビールジョッキ程もあるワイングラスや小さな金魚鉢程もあるカクテルグラスを手に、海に包まれた広いテラスにでて一服する。
巨大なサンドイッチをほおばる人もいる。
よく食べ、よく飲むのに驚嘆した。

人いきれで火照った体に海風が快い。
さざ波立つ水面に、摩天楼、ハーバーブリッジ、ヨットやクルーズ船の照明が七色の蜃気楼のようにに揺らめく。
湾を囲みオペラハウスと、橋、街、イルミネーション、風、人々のざわめきが一体になり、壮大な音と色のハーモニーを奏でている。
オペラハウスは、夜にその本領を発揮し、クライマックスを迎えるのだ。


オリンピック水泳競技場内 リラクゼーションプール
オリンピック水泳競技場内
リラクゼーションプール
Copyright1999 Setsuko Watanabe  

街から車で30分程の2000年オリンピックの会場、ホームブッシュを訪れた。
道路も建物も広々と大きい。各通りには、オーストラリア出身の過去の金メダル受賞者の名前を付けたそうだ。
競技場は大半できていた。
水泳場に入ってみた。
見学料が2.5ドル。 一日泳いで5ドル(350円)だ。
オリンピック用のプールでは、選手達が飛び込み競技をしていた。
椰子に囲まれて子供用プールや、リクリエーション用プール等がある。
広く、明るく、洒落たカフェもあり、高級リゾートホテルのプールといった雰囲気。開放感と親しみやすさがみなぎっている。
売店では様々なオリンピックグッズを売っていた。


岩場での結婚式
岩場での結婚式
Copyright1999 Setsuko Watanabe

数年ぶりのシドニーだったが、オリンピックを目前に、あちこちで道路工事中だし、高速道路も増え、活気があった。
商店も品揃えが豊富で、女性も随分とお洒落になり、多人種が住むコスモポリスの色が一段と濃くなった。
そのせいか、オーストラリア訛の強い聞き難い英語も減ったように感じた。

ここ南半球のシドニーでも、ドラッグを吸うティーンエージャーが増えて、犯罪が急増し社会問題化しているそうだ。

"こんな美しい街に住んで、一体何が不満なのなの?"と問いたくなるが、美しく住み易い港街程、人が集まり易く、それだけ犯罪や麻薬も蔓延するのが、世界の実情だ。


リンク集
「オペラサイト」
「シドニー オリンピック公式ページ」



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