ハンガリー大平原(プスタ) |
1. ブダペストとジプシー(ツイガニ)音楽
東欧を旅するのは、ライラック(リラ)の咲く春がいい。
東欧には、私達がとうに失ってしまった古き佳き文化がまだ残っている。 寒い冬を耐え、春に見事に花開く憂いありげなライラックが、この町には似合っている。 ハンガリー人(マジャール人)は、ウラルを超えてアジアの地から、9世紀末にこの地に侵入してきた。だから日本人に特別な親しみを抱いている。言語の類似は不気味なほどである。心情もどこか似ていて、初対面でも旧知の間柄のような気になる。
ゲレルトの丘で、ドナウを挟んだペスト地区の夜景に、見とれていると、バイオリンが聞こえてくる。小節がきいた演歌調。妖しい想いをかきたてる。音に魅かれて、レストランに入る。ジプシー(ツイガニ)の楽隊がバイオリンとツィンバロム(木琴の一種)で演奏中だ。
インド北辺出身と言われるジプシーは、放浪しながら、各地の音楽を拾い集め、独自の音楽を作り出した。
ジプシー音楽に魅せられた音楽家は多い。 ブダペストの夜は音楽で溢れている。 次回は『ハンガリー大平原(プスタ)とチェルノブイリ原発事故』です。
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Copyright1998 Setsuko Watanabe
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